映画にもなったミヒャエル・エンデ著の有名作品です!
『おばオタ』と同年代近辺の方(昭和40年代近辺生まれ)ならば『ネバーエンディング・ストーリー』という映画が、1984年上映されたのを覚えているのではないでしょうか?
監督はドイツのウォルフガング・ペーターゼン監督。
「Uボート」とか「トロイ」などの作品をつくっている監督です。
主題歌が有名になりましたよね?
「ね~ば~えんでぃんすと~おりぃ~♪ららら~ららら~ららら~♪」というフレーズが、タイトル聞いた途端、頭の中に響きました。
「リマール」という、もと「カジャグーグー」というイギリスのバンドのヴォーカルが主題歌を歌っていました。
(そういえば!最近「朝マック」のcmに使われていたような…)
なつかしいっ!
じつは、映画館で観たんですよ、この映画。
ラストに幸運の竜「ファルコン」が、主人公「バスチアン」を乗せて現実世界に乗り込んで来るシーンが印象的でした。
現在の3Ⅾ映像で上映したら本当に飛び出してくるように見えて、絶対面白いと思うけどなぁ~。
映画館で観た時、それなりに迫力があったのを、うっすらだけど、覚えています。
イラスト投稿記事で知り合った『gomajirou 様』に触発されまして…
で、なぜにいきなり「懐かし映画」話かと申しますと…
このブログにコメントくださった『gomajirou』様のイラスト作品に触発されたからですっ!
『gomajirou』様は、『おばオタ』が、以前『「pixiv」にイラスト投稿始めてみた…』という記事を掲載したとき、その記事に”初!”コメントをくれた方なのです!(喜~❤)
ご自身もイラストを描いておられて、『おばオタ』の記事が切っ掛けでpixivに投稿されたようで、ご丁寧にコメントくださいました。
いや~、なにが切っ掛けになるか、わからないものですなぁ~
さっそく『おばオタ』も『gomajirou』様のイラストを見せていただいたのですが、ミヒャエル・エンデ作「はてしない物語」のイラストを多数掲載されていて、そこで映画を思い出したんです。
でも、『gomajirou』様のイラストを見ていたら映画にないシーンが多く、これはどの場面だろう…と疑問を持ちました。
そこで原作は映画と違うことを知りました。
そういえば、原作って読んだことなかったな~?
なんとなく映画で観たので知った気になってましたね。
思い立ったが吉日と、さっそく読んでみる事にしました。
ちなみに! 『gomajirou』様はブログのほうがイラストが沢山あります。 下記にブログとpixivのリンクを貼っておきますね~。「はてしない物語」愛!に溢れています!(特にアトレーユ愛❤) ブログはこちら→ ごまじろうのイラスト成長記録 - (gomajirou-mom.com) pixivイラストはこちら→ gomajirou - pixiv
【感想】児童書って大人になってから読むと『意味深さ』を実感する
実際読んでみた感想
「ファルコン現実世界に来てないじゃん!」
ホントだ!かなり違ったんですね。
映画「ネバーエンディング・ストーリー」は原作の前半部分を中心に創られた映画だったんですね。
しかも、「落ち」が脚色されておる!エンターテイメント化されておるっ!
それはそうか…映画はエンタメや。
電子書籍の原作は上巻・下巻と分かれていて(紙書籍は一冊版や上下巻などの数種類出版されてます)映画「ネバーエンディング・ストーリー」は、上巻メインに構成されています。
映画には「ネバーエンディング・ストーリー2」もあって、こちらは下巻メインに原作に忠実に作られたみたいですが、あまり印象になく、内容覚えてないんですよね。(観た記憶はあるのですが…)
確かに本人が本の世界に行く話だったと思うのですが、何より、役者がかなり変わって、特に「幼ごころの君」が違うことがショックだった記憶しかない…
なので、原作を改めて読んでみると、この作品ってこんなに奥深い話だったんだ!と、気付かされました。
前半部のお話は「英雄(理想)への自己投影」
原作の上巻のストーリー運びは、ほぼ映画と同じ感じでした。
なので、読み進めていくと、所々で映画のシーンが脳裏に浮かびました。やはり映像の印象は強いですね。
冒頭のいじめっ子に追いかけられ本屋に逃げ込むところは、原作読みながら映画を思い出していました。
映画の主人公「バスチアン」は、かわいい子だったので、野暮ったさは感じませんでしたが、原作の「バスチアン」は、容姿に自信がなく、小太りで運動音痴のダサい子を印象付けられました。
あらすじは、母親を早くに亡くし、父親との交流も上手くいかず、容姿でも才能でも自分に自信のない劣等感の強い子供が、いじめっ子から逃げるために入った本屋で、妙に気になる本に出会い、盗んでしまいます。学校の物置で読書に没頭し、その本を読んでいるうちに不思議な体験をしていく、というお話です。
読書によって、主人公「アトレーユ」の冒険を一緒に体験し、主人公を励まし、そうして「ファンタージエン」の崩壊を食い止める方法がこの世界の創成神ともいえる「幼ごころの君」に新しい名前を付ける事だと知ります。
それも、読書をしている自分「バスチアン」が名付ける事が必要だと知るのです。
当然「バスチアン」は混乱し、本の世界が、現実の自分の世界と繫がっている不思議な現象に戸惑います。でも、ここまで読んできた「ファンタージエン」を救いたい一心で「幼ごころの君」に新しい名前を付けました。
「月の子(モンデンキント)」
こうして「ファンタージエン」の崩壊が止り「バスチアン」に勇気が宿りました。というのが、上巻の流れです。
ちなみに、映画では「ファルコン」と名付けられていた(幸運の竜)は、原作では(幸いの竜)「フッフール」という名前でした。
名前も、違ったんですね~
後半部は「自己の確立」
さて、前半では読書という形で冒険に参加していた「バスチアン」が、後半では実際に「ファンタージエン」の世界に入り込みます。
ずっと「アトレーユ」を通して体験していた冒険を、実際に自分で体験することになりました。
それも「アトレーユ」と一緒にです。
自分が応援していた英雄であり主人公だった「アトレーユ」と一緒に旅をする…今度の主人公である「バスチアン」の理想が叶ったお話なのに、下巻の印象は「暗い!」んです。
新たなファンタージエンの世界で自身が英雄…というより、世界を創造する神のような存在となり、自分が語るお話(ファンタジー)が現実となるこの世界で、お話が実現する度に現実世界の記憶が失われていくようになります。
「アトレーユ」と一緒に旅をして、新しいファンタージエンの世界を、その想像力で紡ぎだし、元の世界に戻る方法を探す旅。
…だったのに、現実の世界を忘れるごとに帰る意志も失われていきます。
絶対的な地位に満足を得て、慢心に飲み込まれそうになります。
そんな変わっていく「バスチアン」を心配した「アトレーユ」と「フッフール」が、力の源である「アウリン」というお印を取り上げようとします。
それを「悪意」によって「猜疑心」を植え付けられた「バスチアン」が、裏切られたと失望し、自らの剣で「アトレーユ」を貫いてしまいました。
そこから先は独りの旅となり、忘れたままでいることはどうなっていくことなのか、自分が本当に求めているものが何か、自分自身の内面と向き合っていきます。
そして、最後は…
と、この先は是非、実際にファンタージエンに行ってみてください。
おばちゃん泣きました。
ただでさえ、子どものお話に弱いのに、こんな風に大人になっていく子供のお話を読むなんて…もっと、早く読んでいたら、絶対にうちの子供達にも読ませたのに~!って後悔したくらい良かったです。
だいぶ端折って説明していますが、本当に奥が深いです。
特に印象的だったのは、「バスチアン」が「アトレーユ」を刺すところ。
これって、ある意味「自分自身」を殺しているようなものなんですよね~
物語前半で「バスチアン」は「アトレーユ」を通して、この世界を見ていたし、英雄でもある彼はなりたい自分でもありました。
その彼を刺すというのは、投影していた自己を殺すことにも繋がるような気がします。
でもって、それは「成長」するために、とても重要な儀式だったと思います。
思春期から大人になる時って、自分を殺すことだと思うのですよ。
夢占いとかでも自分が死ぬ夢は、変わりたい、変わる前兆。などを表していることが多いです。
じつは「おばオタ」も、思春期と言える時期に自分が死ぬ夢を見ました。
未だに覚えているほど、印象的な夢で、拳銃で脳を打ち抜かれたのですが、その銃弾が脳を通り抜ける感覚まで覚えているほどです。
痛いとか恐怖はなく、とても穏やかな気持ちで、自ら「いいよ…」と打ち抜くように促したのです。自分の父親に…
私、自分の父親に撃ち殺される夢見ました。
なんとなく、その後、自分変わったかな~って思うんです。
「他人」が、「他の人であるという意味」が分かってきたというか、自分の中で勝手に創っていた「他人」のイメージと、現実の「他人」は違うとか、例えばそれが親や兄弟でも違うって気づいたのがこの夢のあとだったと思います。
大人になるって世界との距離感が分かるようになることでもあるのかな?って思います。
その距離感は決して近くなくて、寂しいけど、だからこそ愛情って大切なんだな…って実感したんだと思います。
なので、このエピソードを読んだ時、(ああ、これは子供時代のバスチアンの別れの儀式なんだろうなぁ)って感慨深くなりました。
現にその後、「バスチアン」は愛情に救われますからね~。
飲み込むでもなく、飲み込まれるでもなく、距離があるからこそ愛で繋がる。
まだ読んだことのない方、ぜひ読んでみてください。
有名な作品なのに、映画で知った気になっていた「おばオタ」は後悔しましたよ!
教えてくれた『gomajirou』様には感謝しかありません。
ありがとう!
ちなみに!
この後半のお話には、様々な登場人物や小物にも、別のエピソードが生まれています。
「それはまた、別のお話…」という綴りで、いくつものエピソードが括られています。
それらのお話は、同人誌的活動で、まったく別の作家さん達が出版しているらしいのです。
まさに「はてしない物語」なんですね。
コメント
こんにちは(^^)
久しぶりにIga-pinさんのブログを見たら、大好きな「はてしない物語」の記事が更新されていて飛び上がりました!記事にしていただいて、本当に嬉しいです!!
しかも、ブログやpixivまで紹介していただいて…感激しました。
本当にありがとうございます。
私も映画は小さい頃に観て、原作は2年前くらいに読みました。
「モモ」という本を読んで、エンデの世界観にすっかりハマってしまったのです。
原作を読むうちに、映画とは全く違う内容に衝撃を受けました。
そして「原作のバスチアンや幼ごころの君ってどんな子なんだろう?」
「アトレーユやフッフールが見てみたいな」と思いましたが、画像検索してもイラストが全然出てこなくてガッカリしてしまいました。
そこで…「見たいイラストがないなら、自分で描くしかない!」と思い立ち、ゼロからイラストを勉強している訳なのです。
イラストを描くうちに「私のイラストがきっかけで、大好きな「はてしない物語」を知ってもらえたら良いな…」と考えるようになりました。そこでpixivに投稿するという方法を思いついたのですが、勇気がなくてなかなか投稿できませんでした。
そんな中、Iga-pinさんのブログに背中を押していただいて、念願のpixiv投稿を果たすことができました。「一緒にイラスト交流してみましょうよ!」というブログの一文には、本当に励まされました。
私もバスチアンがアトレーユを刺すシーンは印象的でした。
このシーンのイラストも描きたいと思っているのですが、力不足でなかなか理想とする構図が思いつきません…。
本当に語れば止まらなくなりそうですが…Iga-pinさんの記事、楽しく読ませていただきました。原作に興味を持っていただいて、本を読んで記事にまでしてくださって、とっても嬉しいです。こちらこそ、本当にありがとうございました(^^)
こんにちは!ご無沙汰しちゃいました!
コメントありがとうございます。
勝手にリンク貼ってしまってごめんなさい!!
せめてアップ時に連絡いれるべきでした~。すみませんでしたーーー
こちらこそ、ほんとにこの作品教えてもらえて感謝しているもので~
児童書って、うちの子供が小さいとき「童話館ぶっくくらぶ」というのに加入していて、毎月二冊ランダムで絵本を送ってもらっていたんですよ。
子どもが小さいとき、しまじろうとか毎月送ってくれる雑誌みたいな知育本があるじゃないですか。
それより、絵本の方がいいかな?って小学校まで頼んでいました。
年間24冊で8年くらいやってたので、そうとう本が貯まってました。
ただその中にエンデは入ってなかったです。
「モモ」も作品は知ってるのですが、まだ読んでないんですよね~
こっちも読んでみたいな~
gomaさんのイラストの方も凄いですね。また作品が増えてる~
絵の効果とかも凄いキレイ。勉強になります。(ここで感想書いてどうする…汗)
gomaさんの「フッフール」可愛くて大好きなんです。また拝見しに伺いますね~
私ものんびり頑張ります。
ありがとうございました。